雪組中日劇場公演『星逢一夜/Greatest HITS!』観劇しました。今回はお芝居の感想です。お芝居は再演、そのため変更点を中心に書いていきます。
★2月19日 11時 2階10列 中日劇場
■キャストの変更
吉宗が若返ったことにより、吉宗と晴興の関係性がより近くなったように感じた。最後の吉宗が沙汰を晴興に告げる時、ただ将軍としてだけではなく、一人の人間として、個人的な感情が込められているように感じた。
- 貴姫:大湖せしるさん→桃花ひなさん
ももちゃんの貴姫、本当にきれいだった。日本物のお化粧では誰にも引けを取らない美しさ。貴姫は晴興の誰にも負けない意志の強さに惹かれたのだろう、でも晴興は泉にずっと惹かれていた、それを考えると辛い。
■終盤の場面追加
今回では、一揆が終わってから、その次の星逢祭の場面が追加されている。そこで、泉は泣いている。そこで子供達になぜ泣いているのか聞かれるのだが、泉は「星が綺麗だから」泣いている、と答えている。
泉にとって、星は晴興と自分を繋げてくれた存在であり、晴興が江戸に行ってからも、星を見ることで彼を思い出していたのだろう。それと、源太も含めた3人の楽しい思い出。
もう今後晴興にも源太にも会えないけれど、星を見ることで「どこかで繋がっている」と思っているのかな。本当のところはわからないけれど、そういう風に感じた。
■あとがき
お話ももちろんだが、この作品は音楽、舞台美術も素晴らしいことをここに残しておく。
この作品の登場人物たちは、願望があっても叶わない。一揆、定免法、思っているけど結ばれないこと。そのことに対して、命を懸けてもがいていく。その辛さ、苦しみが丁寧に描かれた作品で、それであって「星」という存在があることによって、希望を与えてくれる。
心の丁寧な機微が描かれた作品、本当に再演が嬉しかった。これからも、このような作品に出逢えますように。