【映画】『バケモノの子』(2015)感想
映画『バケモノの子』見てきました。
ネタバレもあるかと思いますが、ご了承ください。
細田守監督の3年ぶりとなる最新作『バケモノの子』は、バケモノと少年の奇妙な師弟関係を軸に、バケモノたちの棲む異世界での修行と冒険、リアルな渋谷を舞台にした壮大なアクション、そして親子の絆やヒロインとの淡い恋愛など…。子どもから大人まで、あらゆる世代が共感できる、エンターテインメントの全ての要素が詰まった≪新冒険活劇≫として完成した。
★7月5日 松下IMPホール 試写会
「1人で戦ってるわけじゃない」
物語終盤の楓(声:広瀬すずさん)のセリフ。
予告編にも使われているシーンなのですが、改めて映画を見るとそういう意味だったのか…!と感じます。
私はこのセリフや、映画のキャッチコピーである「キミとなら、強くなれる」もそうなんですが、助け合うことが伝えたかったことのではないかな、と思いました。
主人公の九太もそうだし、熊徹、多々良、楓、一郎彦、
みんな自分では1人だと思っているけど、周りに誰かがいて、知らず知らずのうちに助け合っているのだと思います。
九太と一郎彦。
この2人は人間で、どちらも親に対して捨てられたと感じ、そしてバケモノに育てられたことが共通点になっています。
しかも、経済面では一郎彦の家がかなりお金持ち、しかもお母さんも弟もいる、お父さんは強くて優しくて自慢の人で、何不自由ない生活を送っている。
しかし、一郎彦は自分がバケモノになれないのが悔しくて、加えて人間である九太が自分の前に現れたことで、大きな闇に吸い込まれてしまいます。
これはなぜだろう?と考えた時に、優しさは時には仇になる、ってことじゃないかな、と感じます。
猪王山は、一郎彦に対して傷つけないように言葉で守ってきたけれど、一郎彦の闇を解くことはできなかった。
最後の方で、猪王山が「自分のエゴで人間を育てた」と聞くと、悲しくなってしまいました。
すごくいい父親なのに…!
謎が残る。
不思議なのが、チコの存在です。
チコは九太の小さい頃から側にいる、九太にとって大切な存在で、「小動物」と書かれています。
小動物なんだ…てっきり妖精かと…。
最後に。
九太と熊徹のように、ぶつかり合える存在って、少ないんじゃないかな、と。
そういう存在って心の中ではお互いに尊敬してると思うので、うらやましいなと思いました。
3年間隔で新作が発表されてるので、2018年に発表されるであろう新作も楽しみです!