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ろぐりずむ

主には宝塚の感想。他のミュージカルも観ます。

【演劇】NODA・MAP『エッグ』感想

    先日、BSプレミアムで放送されていた、『エッグ』についての感想です。
公式サイトはこちらです。
    全公演終了していますが、ネタバレもあると思うので、ご了承ください。

《目次》
  • テーマ「熱狂」について
  • セリフの伏線について
  • 731部隊について
  • 歴史は塗り替えられる点について
〜*〜*〜*〜

   日本でも上演されることを知っていたが、何せチケット代が1万円近くするので、観に行くことをあきらめてしまった。なので、今回放送されると知り、本当に楽しみにしていた。

「熱狂」。

    まず、番組の初めの野田秀樹さんのインタビュー。この作品は「熱狂」がテーマだそうだ。そこで、スポーツ・音楽、そして戦争を舞台に、作り始めたとおっしゃっていた。

   確かに、戦争って「熱狂」している。国民が一体となり、自国を応援する。その部分で、スポーツや音楽といった文化と共通するとは今までも考えたことがなかった。
そして後から知ったのだが、スポーツは代理戦争である、という考えも。

セリフの伏線。  

    前半、「エッグ」という架空のスポーツから、あっという間に戦時中へ舞台が変わっていくので、とりあえずついて行くので必死だった。

   ただ、今思い返すと、前半のセリフが後半に繋がるようなものが多く、伏線が多くあって、1回では理解しきれなかった。
例を挙げると、「望遠鏡を逆さに見る」ですね。アンサンブルの方が言うときは言い訳に聞こえたし、オーナー(秋山菜津子さん)が言うときはまた違った意味に捉えることができました。

731部隊について。

    受験で日本史は一通り勉強したものの、「731部隊」について、私は初めてこの存在を知った。現在、アウシュヴィッツ収容所に対して、メディアでも取り上げられることが多い。それに対し、731部隊はあまりメディアに取り上げられないので、知っている人は少ないのではないか、と疑問に思った。

   まさにこれこそ「隠蔽」なのだろうか。私は本当に戦争の一欠片しか知らないことを思い知った。今年は終戦70周年であるので、日本の栄光を讃えるだけでなく、こういった負の側面もメディアで取り上げられてほしいと思う。

   そして、戦争の犠牲者は、戦った人だけではない。阿部(妻夫木聡さん)もそうだと思う。ただ農家で発明した技術が、戦争に使われる。そして、「エッグの聖人」として悪名が広がる、どんなに心痛む出来事だろうか。
ノーベル賞ノーベルも、自身が発明したダイナマイトが戦争に使われたため、ノーベル賞を創設した話を思い出した。

歴史は塗り替えられる。

    作品の中で出てくる、戯曲の塗り替え(野田秀樹さんが出てくる場面)と、クライマックスの阿部に全ての責任を負わせる場面。
まさに「歴史は塗り替えられる」。今まで勉強してきた知識も、本当かどうかわからない。けれども、出来事は本当だと思うし、目を背けてはならないと思った。
「望遠鏡を逆さに持ち、遠く遠く逃げていきましょう」。
    まさに今、自分はこの状態なのかもしれない。そのためには、自分から知ろうとする態度が必要だし、もっと世の中の情報にアンテナを張るべきなのだ。
また同じ道のりを辿らないように。