ろぐりずむ

主には宝塚の感想。他のミュージカルも観ます。

子どもにとっての「居場所」とはー東大・異才発掘プロジェクト感想

    ETV特集 アンコール「不器用な ぼくらの教室ー東大・異才発掘プロジェクト」*1の感想です。これは東京大学で行われている異才発掘プロジェクト「ROCKET」*2の様子を放映したものです。

http://www.flickr.com/photos/51035707449@N01/5310895988

photo by Matt Biddulph

ROCKETとは?

ROCKETは,突出した能力はあるものの現状の教育環境に馴染めず、不登校傾向にある小・中学校生を選抜し、継続的な学習保障及び生活のサポートを提供するプログラムです。
将来の日本をリードしイノベーションを起こす可能性のある異才を育む教育環境を通して、創成することを目指し、日本財団東京大学先端科学技術研究センターとの共同プロジェクトとして2014年にスタートしました。対象は小学3年生から中学3年生まで。(公式ホームページより引用)    
    今回の番組では、600人から選ばれた15人が様々な取り組みをする様子が描かれている。中には、映像や、生物など、同年代の中では秀でた能力を持つメンバーもいて、まさに「異才」プロジェクト。

学校という居場所。

    ROCKETの中には「学校」が合わず、友達が作れず、辛い思いをしているメンバーがいる。そして思ったのが、子どもたちにとって学校は非常に大きい居場所である、ということだ。

    小学生〜高校生にとって、大きな居場所は2つある。それは家庭と、学校である。その中で、学校で自身の居場所を見つけられない辛さをこの番組は教えてくれた。番組の中で、あるメンバーが、友達作りのために人一倍努力して、いじめの対象にもなった、というような話をしていた。それを聞いた時に、私は泣いてしまった。そこまでして、学校は大事なのか。友達は大事なのか。

能力を発揮できる場所とは。

    そして、「自分らしくいられる場所」を見つけることこそ、子どもにとってとても大切なのかもしれない。それは学校かもしれないし、学校でないかもしれない。

    義務教育という画一的な教育の中で、それに適応できない方は一定数いる。それは悪いことではなく、むしろ人とは違う能力を持っていることなのだと思う。その違った能力に対し、悲観するのではなく、むしろチャンスだと思って行動することが将来につながるのではないかな、と感じた。

学校を「補完」する。

    ROCKETの中邑先生は、ROCKETを学校を代替する場所ではなく、補完する場所を目指し動いている、とおっしゃっていた。これも、子どもにとって学校は大事な居場所であり、コミュニティを作る場所であるから、このようなことをおっしゃったのではないだろうか。

    このROCKET以外にも、学校以外で学びを行っている取り組みはたくさんある。無料で授業を配信する「eboard」など。これから、こういった取り組みはもっと増えるだろう。そして、学校を補完する取り組みが増えることにより、学校の在り方を考える機会も増えると感じる。

最後に。

    特出した能力を持った子どもたちに対しては、その能力に見合った場があると思う。けれど、そういった能力がない場合、どうすれば良いのか。子どもにとって、居心地の良い「居場所」を探し続ける必要があることを感じる。