ろぐりずむ

主には宝塚の感想。他のミュージカルも観ます。

【月組】『激情』(2016) 感想〜狂おしいほど真っ直ぐなホセ

月組全国ツアー公演、『激情』『Apasionado‼︎III』観劇してきました。そして、珠城りょうさん、新トップスター就任おめでとうございます。どちらも再演ですが、大好きな演目でとっても楽しみにしておりました。

この記事は『激情』についてです。

★3月21日 12時 3階2列 梅田芸術劇場メインホール
★3月27日 11時 4階3列 愛知芸術劇場

初演の宙組版は視聴済み。そのときに花總まりさんが色っぽくて、ちゃぴ(愛希れいかさん)がこの役やるんだ…また新たな境地に到達するんだな、と考えていた。

また、「ライラライライライ〜♪」という音楽が好きだ。『哀しみのコルドバ』然り、この作品然り、柴田先生のスペインものは音楽が素晴らしい。

■ホセ=珠城りょうさん!?

たまきさんにとって、ホセは当たり役だったと考える。というのも、たまきさんの舞台を見て、持ち味は男臭さと真っ直ぐさにあると感じたからである。黒髪パーマって素晴らしいね!!!

やっぱりホセの真っ直ぐさが素敵だった。ガルシアの部下に対しての言葉、母親を気にする言葉、ミカエラに対してカルメンのことを濁すところ、本当に優しい人物なのだ、ホセは。

■ショースター、ちゃぴ様!

カルメンは踊り子という設定なので、ダンスシーンがすごく多い。特に白いお衣装のところが素敵だった。

ちゃぴが踊ると空気がそこに集中する。それが「惹きつける」ということなのだと思う。そして、それができる娘役さんは現在の宝塚ではこの方しかいない。

あとは、強気な女性だから、キスシーンをカルメンからすることの方が多い。それがすごく魅力的で、かっこ良い。本当に様々な引き出しを見せてくれる娘役さんだ。

■お芝居の内容について

ホセはカルメンに出会うまでは「いい息子」だった。

それは舞台中、様々なところで描写されている。

ホセはミカエラと結婚するつもりだったと言っているし、何より母親を大事にする態度である。おそらく、カルメンと出会うまでは自分の意志で選択し、思うままに人生を生きることがなかったのか、と感じた。

だから、自由奔放で、欲しいものを自分で選び取るカルメンに惚れた。

ホセにとって、初めて自分の意志で手に入れたいと思ったのがカルメンなのではないか。だからこそ、罪を犯してまで手に入れたくて、戻れなくなった。

他人からのイメージである「いい息子」の自分と、自分の人生を生きたいと思う自分。ここの対比がすごく興味深いな、と感じた。

■あとがき

歌ウマな宇月颯さん、ヒゲが生えているかのような輝月ゆうまさん、娘役ダンサーの玲実くれあさん、咲希あかねさん、主な配役以外にも目が足りない作品だった。

続いてはショーの感想です!