ろぐりずむ

主には宝塚の感想。他のミュージカルも観ます。

【雪組】『ドン・ジュアン』(2016)感想〜「人」として生きるためには愛が必要だった?

雪組公演『ドン・ジュアン』観劇しました。望海さん、スペインもの、そして演出が生田先生!人気公演になりそうだけど、絶対観たいと思っていて、叶えられました。その感想です。


■演出編

舞台装置と花びらを使用した演出。いつも同じものに惹かれてしまう。

舞台装置、素晴らしかった。舞台の真ん中に円形の盆が置かれていて、それがくるくる回る。ある時は酒場、ある時は銅像の前、そして途中でドンジュアンとマリアが一緒に暮らす家が出てきたり、まさに「演出」だった。

そして花を使った演出。
バラはよく舞台演出で使われるが、この作品では群衆→マリア:花を渡し、マリア:花束にして、マリア→群衆:配っていく、一連の流れが印象的だった。

ドンジュアンとマリアの愛の象徴であるバラの花と、それを見守る群衆の心情がおそらく表現されていたのではないかと考える。

■キャストについて

望海さんは歌唱力、芝居力が本当に素晴らしくて、ずば抜けてる。芝居心のある歌で、一瞬で横浜がスペインになったような気がする。

物語はざっくり言うと、ドンジュアンが「罪人」からマリアの出会いによって「人」へと変わる、というものだ。その「人」に変わったドンジュアンが幸せそうだった。幸せそうなドンジュアンは短かったから、つかの間の幸せっておそらくこれを言うのだと感じた。

また、私はドンジュアンの
「罪人として死ぬのではなく、人として死にたい」
というセリフが印象的だった。聖母マリアのようにドンジュアンの人生を変えたのは作品中のマリアで、そんなに変わるなんてやっぱり愛はすごいね!!!

そして、このドンジュアン、作品中で幼少期の回想が少しある。それを鑑みると、幼少期に母と異常な関係→愛に飢える→プレイボーイになるという流れだ。だからドンジュアンにとってマリアは、本当に「母」の面影を残した「恋人」だったのだろう。

あとは有沙瞳さんもすごく歌がお上手だったし、お芝居好きだったな。一途な「愛」の思いだから故の行動だったのだろう。

■あとがき

香綾しずるさん素晴らしい役者だった…煌羽レオさんの美女ガチの美女だった…白峯ゆりちゃんめちゃめちゃかわいかった…目が足りない。

歌に、ダンスに、芝居に盛り沢山の公演。1回しか観ることができなかったけど、それでも観劇できてよかった。