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ろぐりずむ

主には宝塚の感想。他のミュージカルも観ます。

【東宝】『ミス・サイゴン』(2017) 感想 〜「希望」はアメリカン・ドリームと、息子のタムだった

ミス・サイゴン』観劇しました。「命をあげよう」「ブイ・ドイ」が大好きで、再演を待っていました。

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★1月9日 13時 3階2列 梅田芸術劇場メインホール

■音楽の素晴らしさ

まずはこの点。今まで曲のみで聴いていたので、劇中で歌われているのを観ると、より歌詞への理解度が深まる。大好きな「命をあげよう」「ブイ・ドイ」に対し、理解が深まったのは非常に良かった。

また、今作品では台詞がほぼ歌になっていた。だからこそ、キャストの方々の細やかな演技と歌唱力を堪能できたのが良かった。

■戦争での「希望」

この作品の主演はエンジニアとキムだ。エンジニアというのは、フランスとベトナムの混血のことである。エンジニアにとって「希望」はアメリカへ行くという夢であり、キムにとっての「希望」は息子のタムだった。

そこで感じたのは、なぜエンジニアはそこまでしてアメリカに対する希望を持てたのだろう、ということ。自身も生まれが混血だから、おそらく子供の頃からいじめなどがあったはず。そこで屈せず生きる希望を持ち続けたのが、並外れた精神だな、と感じた。

そして対するキムは、タムこそが生きる目的で、生きる希望だった。そうしなければならない程、戦争で心がすり減っていた。だからこそ、タムを送り出した時、生きる目的を失ったのだろう。母親は強い。

■作品の要、キム

私は今回笹本玲奈さんのキムを観た。実は笹本玲奈さんを観たのが今回初めてだったのだけど、もう圧巻。幕開きの少女らしさから、母親になってからの強さの表現が素晴らしい。

そして何と言っても歌。作品がほぼ歌で構成されているからこそ、悲痛な叫び、戦争への憎しみ、クリスへの愛や叫び、それらが音楽と相まってすごく心にくるものがあった。

■あとがき

全体的に、キャバレーのシーンがすごく艶やかな演出で、目を背けてしまうことも。観たときに、高校生もいて、どんな感想を持つのかちょっぴり気になった。

そして改めて思うのは、やっぱり戦争は誰の得にもならない、ということ。平和な世の中で、こうして大好きなミュージカルが観られることに感謝したい。