ろぐりずむ

主には宝塚の感想。他のミュージカルも観ます。

【東宝】『ダディ・ロング・レッグズ』(2017)感想~シンプルで、人に寄り添う物語

 

楽しみにしていた『ダディ・ロング・レッグズ』観劇してきました。なんでも中日劇場最後のミュージカル公演だそうで、私にとって最後の中日劇場での観劇でもありました。今回はその感想です。

 

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★12月16日 12時 中日劇場 2階8列

 

■「シンプル」こそ舞台の醍醐味

舞台機構も、音楽も、何から何まで私にとっては新鮮だった。普段から東宝ミュージカルや宝塚歌劇を見慣れている私にとって、3人のバンド編成、2人の役者、転換がない舞台セット。まさに限られている中で最大級の表現をする、という舞台の醍醐味が感じられる作品だったように感じる。

 

■ジルーシャは憧れの女性

作品中のジルーシャは18~24歳くらいである。ところ出て来るエピソードに、私も「ああそれ、すっごく分かる」と感じると同時に、ジルーシャが困難に立ち向かい、結果解決していく様子に「やっぱりジルーシャは強いなぁ、自分とは違う」と感じていた。

作品中のセリフでもある通り、ジルーシャは「強い精神力」と誰にも負けない「想像力」を持っている。彼女は孤児院の生まれであり、お金持ちの友人が持っているものを持っていないことや、知らないことが多いことに対し、何度も落ち込む。それでも、ダディという見たこともない人物に手紙を通して伝えること、そして彼女の天性の「強い精神力」「想像力」で彼女は幸せを掴み取っていくのであった。

そしてジルーシャを演じる坂本真綾さん。私は彼女を舞台で拝見したことがなかったのだけれど、その細やかな気持ちの表現力にびっくりした。素晴らしくて。ジルーシャの気持ちがすっと入ってくる。

 

■人間臭いジャーヴィス

ジャーヴィスを演じられていた井上芳雄さん。名実共に「ミュージカル界のプリンス」なのだけれど、私はジャーヴィスのような人間臭く、おちゃめで時には落ち込むような役が好きだなぁ、と感じた。もちろん天才や人間じゃない役も好きだけどね!

 

□あとがき

あとから考えると、本当に見て良かった、おすすめしたい作品だった。人に寄り添い、人の心の糧になり、支えになる作品であったと感じる。本日は千秋楽ですね、おめでとうございます!これからも語り継がれ、再演が行われる作品でありますように。