ろぐりずむ

主には宝塚の感想。他のミュージカルも観ます。

【月組】『BADDY』(2018) 感想 〜これは「革命」を起こす作品だ!

 

続いてショー『BADDY -悪党(ヤツ)は月からやって来る-』の感想です。

 

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■「革命」

この作品は、宝塚に「革命」を起こした、と言っても過言ではない。それくらい、私のショーに対する疑問を鮮やかに解決してくれた作品だった。ショー作品を見ると、必ず1場面は、「この場面、どういう意味?」と思ってしまう場面がある。また、急に全く違う場面になることもある。今までは、それが宝塚のショーだと自分に言い聞かせてきた。けれど、この作品は全てストーリー仕立てになっているので、上記のような疑問を持つこともなく、ストレスフリーな状態で楽しく観ることができた。

また、そういった変化を起こしながらも、流れは今までとほとんど変わらない。表では新しい表現手法で描きながらも、裏では今までの歴史を大事にしている点も、興味深く感じることができた。

 

■トップコンビの安定感

珠城りょうさん演じるバッディが、私が知る珠城さんの中で一番かっこよかった!「誠実」なイメージのある珠城さんが「悪党」バッディで最強にかっこいい、という事実。オーシャンズとか見てみたいな。

そして愛希れいかさん、愛称ちゃぴはあの大きな大劇場をご自分のものにされていた。歌もダンスもお芝居も全てにおいて素晴らしい。次回作で退団、ショー作品としては今回が最後になる。最後にちゃぴの歌、踊り、堪能できてよかった。

この作品は、今後のショー作品に影響を与える作品だと思う。その作品を、安定感あるお二人がしっかり支えられていたことは今作品の成功要因の大きな理由だと感じる。

 

■裏ストーリーにも注目!

この作品では、「バッディ×グッディ」という二人のストーリーが軸となって構成されているが、裏にもストーリーがあるのが面白いところである。その裏ストーリーの主要人物が、宇月颯さんと早乙女わかばさん。言葉がないからこそ、観客に想像を余地を与える。ああ、こういう演出大好き!最後のとしさん(宇月颯さん)の背中で別れを告げる場面、本当にかっこよかった。

 

■あとがき

この作品は登場人物が全て通し役であることから、たくさんのキャラクターが存在するので、本当に目が足りない。としさんわかばさんの例は一例で、銀行員の宇宙人や王子にもストーリーはあるのだろうし、それを考えると、「ご贔屓の役の背景を考える」ことが大好きな宝塚ファンには最高な作品だと感じる。