【雪組】『星逢一夜』(2015)感想 その2 〜キャスト・そしてレミゼとの共通点
前回はこちらです。
1.主要3役について
1-1.トップと二番手について
「トップコンビと二番手」の三角関係のお話は、二番手が拮抗するくらいの力がないと、見応えがないのかもしれない。そして、それは実力だけではなくて、トップと二番手の学年が近い方が、見応えがあると感じた。
1-2.源太について
今回、晴興と泉、そして源太と泉という2組のカップルがお芝居に出てきた。お芝居は3人とも「運命に抗えない」人たちで、見ていて辛かった。みんな幸せになってほしいけれど…。
悲しいお話だったのだけれど、キュンとした場面がある。まぁ全部源太なのですが(贔屓目でごめんなさい)。
1つ目は、星逢祭りの場面。この頃は、源太と泉は新婚さんで、劇中では源太が泉を探しに行く場面が描かれている。周りにお祝いされて、源太が泉を探しに行く場面が、幸せそうで、こちらも見ていて嬉しく思う。
2つ目は、大人になってから。貧しいながらも、泉が「ごちそう」として用意しているぬるま湯に対して、「ごちそうさん」という場面。本当にイケメンすぎて…子役からの振り幅大きすぎて、動揺しまくった。
2.他の登場人物たち
2-1.子役たち
今回子役がたくさん。主人公たちの友人だけでなく、源太と泉の子供も。子役が素晴らしい!本当に子供に見える…。泉の子供たちも、みんなゆうみちゃんよりも期が上だから、双方の芝居力すごい、ってなるなぁ。
晴興の友達で言うと、まなはるさん(真那春人さん)が面白かった。本人のキャラクターかもしれないけれど、はじけるような笑顔で、純粋そうな笑顔で、まさに子役にぴったりの方だと思う。櫓の場面では、笹を望遠鏡に見立てて、覗く所がかわいい。
2-2.専科さんの役割
はい、英真なおきさんです。ショーでもドアボーイや王様の衣装で大変ご活躍。やっぱり王家でも思ったのだが、舞台の引き締まり具合がすごい。
セリフを一言話すだけで、舞台が締まる。これが専科の役割なのか、と。宝塚ってどうしてもスターさんや、若手の方が注目されがちなのですが、専科さんもすごいんだよ!!!!早く組本「〜専科特集〜」出して欲しい。
3.まとめ
今回の作品は、正直「賭け」だったのかもしれない。題材は宝塚っぽくないし、ウエクミ先生の大劇場デビュー作品でもあるし、そして、子役が多いので。
でも、それらの壁を乗り越えた、組子さんたちや、演出の上田久美子先生、本当にお疲れ様でした。そして、素晴らしい作品を届けて下さり、ありがとうございます。
この作品の魅力、それはどの登場人物にも物語があることだと思う。そして誰も幸せになれない。まさに『レ・ミゼラブル』のようだった。だからこそ、登場人物を応援したくなるし、そして共に悲しい気持ちになる。
本当にこの作品に出逢えて幸せ。あと数ヶ月宝塚にハマっていなかったら、出逢えなかったかもしれない。ブルーレイ買おう。
そして、感想がまとまらないと思っていたらあっという間に宝塚大劇場千秋楽になってしまった。退団者の方々、大劇場ご卒業おめでとうございます!
東京公演も無事に終えられますように。
↑宝塚大劇場に飾られていたお花。