ろぐりずむ

主には宝塚の感想。他のミュージカルも観ます。

【星組】『ベルリン、わが愛』(2017)感想~トーキーを使った演出が新鮮!

 

星組公演、『ベルリン、わが愛/Bouquet de TAKARAZUKA』観劇しました。新生トップコンビになってから、初の二本立て作品です。やっとトップコンビの羽根が見れる、ととても楽しみにしていた作品、今回はお芝居の感想です。

 

f:id:dmnys:20171105175627j:image

 

★11月4日 15時 2階10列 宝塚大劇場

 

■あらすじ・映画ならではの演出

お芝居のあらすじは、「無声映画→トーキー」「平和→ナチスの独裁」と時代が移り変わる中、「理想の映画を作る」ことを求めた人々たちの物語。

演出面では、映画にちなんでフィルムの舞台装置があったのが印象的だった。そして、何よりも舞台の映像をトーキーにして流す、という演出が新鮮!タカラジェンヌは舞台はもちろん、映像で見てもやっぱり美しい。

 

■素晴らしいお芝居!

作品の中では、音波みのりさん・天寿光希さん・夏樹れいさんが素晴らしかった。

 

~音波みのりさん

レーニという女性の役。この役は、ハングリー精神が旺盛で、それゆえに才能を持つジルを憎み、ジルの地位を脅かすためには手段を選ばない人物。レーニはコミカルにも、シリアスにも描かれており、その振り幅をはるこさん(音波みのりさん)が魅力的に演じられていた。

 

~天寿光希さん

本当にこの方のお芝居は素晴らしいです。でもまず書きたいのが、第一声を聞いたとき。「えっリアルに男の人の声だ」と思った。本当に男性の声だった。劇中劇の前のシーンでは笑いを取っていて、おちゃめ。そして、ゲルダとの場面は必見!特に二人の関係性は説明されていないけれど、恋仲だったよね!?そうだよね!?ここの天寿さんが口数は少ない、背中で語る、というような男性で最強にかっこよかった。

 

~夏樹れいさん

ジョセフィン・ベーカー。歌が本当に素晴らしいのは知っていたけれど、お芝居がいい!!夏樹れいさんは今回の作品で退団されるのだけれど、最後に勇姿を拝見できて、本当によかった。スター特有の人を惹きつけるオーラ、人種差別という現実に負けない強さ、それを知っていても自分一人ではどうにもならないという哀愁。男役さんだからこその強い女性で、本当に素敵な役だった。

 

■あとがき

映画が舞台なだけに、クリエイター達の「理想を追い求める」姿がとても印象的だった。また、劇中で出てくるハイネの詩、エーリッヒが絵本作家であること、ジョセフィン・ベーカーの歌、様々な芸術が詰め込まれていて、こんなに芸術に囲まれていたら幸せだな、と思ったのでした。