ろぐりずむ

主には宝塚の感想。他のミュージカルも観ます。

【月組】『カンパニー』(2018) 感想 〜現実と錯覚してしまう、夢の世界

 

月組公演『カンパニー/BADDY』を観劇しました!今回はお芝居『カンパニー』の感想です。

 

getting tied

 

★3月3日 15時 2階10列 宝塚大劇場

 

■宝塚で現代劇をするということ

今回のお芝居は、現代の日本が舞台ということもあり、冒頭の電車のシーンなどはとてもリアリティが感じられた。大劇場では、今の日本を舞台にしたお芝居は少ないから、珍しいと思う。その現実の中に、夢の世界のタカラジェンヌの皆さんがいるので、何だか不思議な感じだった。

宝塚ファンは、そうでない人から「現実との区別が付いていないのでは?男役さんに現実の男性像を重ねてしまうのでは?」というような疑問を持たれてしまう。この作品を見ると、改めてその疑問は「はい」と答えてしまうのも無理はないと感じた。

それくらい、トップスターの珠城りょうさんがイケメンで、現実世界に存在してほしいと思ってしまったのであった。電車でスリを撃退する男らしさ、今は亡き奥様を大事にしている一途さ、仕事に対してのひたむきさ、なんて完璧な男性!しかもほとんどスーツ姿とあってかっこよさが倍増していた。

 

■社長令嬢、早乙女わかばさん

そして、お芝居では、今回退団される早乙女わかばさんがとても印象的だった。早乙女さんは、容姿端麗な方が多数在籍している宝塚の中で、一番「社長令嬢」が似合う方だと思う。品のある感じ、言いたいことをずばっと言うお嬢さんらしさ、誰にも媚びない芯の強さ。今回で退団は惜しいけれど、最後にぴったりな役が見られてよかった。

 

■あとがき

今作品はバレエのカンパニー、会社のカンパニーを取り上げた作品で、舞台を作り上げる作品が好きな私は興味深く観劇することができた。現代劇ということもあって、「タカラジェンヌにそれ言わせる!?」みたいなセリフもあり、その不一致のもどかしさから、改めて宝塚というのは夢の世界なのだな、と感じる作品であった。