ろぐりずむ

主には宝塚の感想。他のミュージカルも観ます。

【四季】『オペラ座の怪人』(2015-2016) 感想 〜佐野ファントムの演技に感動

劇団四季オペラ座の怪人』観劇しました。四季は小学生以来で、名古屋の劇場は初めて。迷ったのもいい思い出…か?

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↑ロビーには、サイン入りの看板や、クリスティーヌの楽屋のセットがありました。

★12月17日 13時半 2階F列 新名古屋ミュージカル劇場

実はチケットを取ったのは5ヶ月くらい前だったのだけれど、その間に25周年の記念CDを聴いたり、はたまたオケでオペラ座の怪人メドレーを演奏したり、意外に内容には触れていた。

また、初めて行った“新名古屋ミュージカル劇場”。私は座席が2階の最後列だったのだが、すごく見やすい!!しかも、オペラ座の1幕はシャンデリアがずっと出ているし、上から怪人も出てくるので、かなり楽しむことができた。

舞台装置に驚く。
まず「舞台の見せ方」が面白かった。この作品の場所はタイトルにもある通り、オペラ座である。そのため、舞台裏の様子を表現したり、ラウルや怪人が舞台の穴?にヒュッと落ちたり。

印象的だったのは最後のシーン。ネタバレになるかもしれないけれど、メグが仮面を取って、終演する。怪人はいつのまに消えたのか…全然分からなかった。

また、少ない人数で舞台を行っているため、マスカレードのときに人形を置いて、人間らしく見せてたのも面白かった。仮面をつけているから、人間なのか人形なのか不明なのが面白い。

怪人の演技に驚く。
今回、オペラ座の怪人役を演じておられたのが佐野正幸さん。私のようなニワカでも知っているので、すっごくベテランの方の怪人を見ることができた。この方は歌ももちろん素晴らしかったのだが、私は演技に惹かれた。

というのも、怪人は子供の頃の経験から愛情に飢えているからこそ、クリスティーヌへの異常な愛を抱く。その感情表現が異常で、哀しくて、狂おしい、その表現力がすごい。

部屋にはクリスティーヌの人形があり、クリスティーヌにウエディングヴェールをかけるシーンのような、自分のものにしたいという感情から、終いにはラウルとクリスティーヌの関係を認め、部屋から追い出す。最後には愛した人の幸せを願い、愛されない自分を認めるようになる。奥が深い…!

狂いたくなるほど愛した相手だからそうしたのだろうけど、そんな相手に出会えたこと、怪人はある意味羨ましいと思ってしまった。

好きなシーン
〜『All I Ask of You』
数少ない、幸せたっぷりな歌。劇中では何度もリプライズされるのだが、私はクリスティーヌとラウルのデュエットが1番好きだ。

〜『The Point of No Return
CDを聴いて、大好きになった曲。個人的に物哀しい曲が大好きなので、舞台で、生の声で、この曲が聴けるなんて、本当に観れてよかった。

この曲は、怪人が書いたオペラ『ドン・ファンの勝利』の中の曲。ここからクリスティーヌが少女から女性に変化していく、という記事を読み、確かにクリスティーヌは力強く歌っていたのを思い出した。「もはや引けない」と歌詞にもある通り、怪人とクリスティーヌの関係のターニングポイントになる曲。

あとがき
久しぶりに劇団四季を見て、セリフの明瞭さにびっくり。初見でも歌詞が分かるので、私のようなライトファンでもすごく見やすかった。

あとは、批判ではないけど、伴奏が生だったら、どんなに感動的だっただろう。もちろん今回も素晴らしかったけど、録音にはやはり限界がある。そういう意味で、生演奏の重要性を改めて感じた公演だった。