ろぐりずむ

主には宝塚の感想。他のミュージカルも観ます。

『ゆがみちゃん』〜毒親から抜け出すにはどうすればいい?

    noteで、非常に興味深いマンガを発見した。もうご存知かもしれないが、紹介したい。タイトルは『ゆがみちゃん』。
兄妹を徹底的に差別し、娘の人格を否定し続ける母。罵声や暴力によってわが子をコントロールしようとする父。新興宗教を家族に強要し、恨み節や悪口をまき散らす祖母。大人のいない場所で妹をいじめるようになった兄。そんな「毒家族」が支配する家で育ったゆがみちゃんが家から逃げ出し、じぶんの価値を見つけ出し、自らの手で解毒していく戦いを描く、衝撃のコミックエッセイ。*1
    「毒親」「毒家族」とはどういった存在なのか、そして子供に対してどのような影響を与えるのか。それをエッセイとして分かりやすく伝えてくれる作品。現在、noteで読める*2し、単行本も発売している*3


1.ゆがみちゃん幼少期

     幼少期、読んでいて辛い。私自身の両親は毒親ではないと思うのだが、共通する部分はあった。それは宗教と、自己否定である。

1-1.宗教について
    宗教については、私は祖母から、現在進行形でしきりに勧められている。「これを信じたら幸せになれるよ〜」という根拠のない言葉でやたらと入信させようとしてくるのだ。

    正直、親や祖父母が何か宗教を信じていたら、子どもはそれを信じてしまうと思う。私は後々の勉強で、宗教について信じる自由、そして信じない自由があることを知った。だから、分別がつかない子どもにこういったものを教えるのはどうなのか、と疑問に思う。私自身は、母親が止めてくれたため、現在は特に何かの信者ではないです。

1-2.自己否定について
    「こんなこともできないのか」と言われ、自己否定に陥る。日本人ってよく謙遜すると言われるが、それとはまた違うと思う。うまく説明できないけれど。

    私は自己顕示欲が全然なくて、本当に自分をアピールするのが苦手だ。だから、褒められるのも苦手で、最近になったやっと、褒められてから「ありがとう」と言えるようになった。

2.負のループを脱出!

    このマンガの見所は、ずばり「解放編」だと思う。両親の何気ない一言で自立するようになったゆがみちゃん。その意思の強さ、行動の速さに脱帽。

    作者本人も言っているが、自身を超合理的主義と表していたのが原因だと思った。また、家以外に自分の居場所を作っていたことも、負のループから抜け出せた理由だと思う。

最後に。

     マンガの中で描かれている、「未来は自分の手で変えることができる」ことを、体現した内容だった。ここで思い出したのが、トイアンナさんのつぶやき。家庭だけが全てではなく、逃げてもいいんだよ、ということ。

    私は毒親についてあまり知らなかったし、もしそれで苦しんでいる人に対し適切な対応ができなかったかもしれない。けれど、このマンガを読んで、「否定せずに聞く」ことが大事だと思った。

    そして、この問題は実際に様々な問題がある。問題が発覚しにくいこと、そして子世代にも影響の可能性があること。正直、効果的な対応策は分からない。でも、このような現状があることをコミカルに、それでいて必死に訴える作品だった。