ろぐりずむ

主には宝塚の感想。他のミュージカルも観ます。

【雪組】『哀しみのコルドバ』(2015) 感想〜懐の深さに感動

雪組全国ツアー『哀しみのコルドバ』『La Esmeralda』観劇してきました。こちらの記事は『哀しみのコルドバ』の感想になります。ネタバレ注意です!


★11月22日 12時 3階3列 梅田芸術劇場メインホール

何度も再演されているこの作品。けれども、私は見たことがなかったので、花組全国ツアー(真飛聖さん・桜乃彩音さん)の最初の方を少しだけ見ていました。

結構登場人物が多いし、様々な恋愛模様があるので、見ておいてよかった。

あとは、花組好きの私にとっては非常に若かりし頃のタカラジェンヌの皆様を観れて、面白かった。朝夏まなとさん出てた〜!


印象に残る脇役
今回、すごく印象に残ったのはアントン・ナバロ役を演じた蓮城まことさん。やっぱり89期に反応してしまうね。

今回の作品では、登場人物が「運命に抗う」場面が多くある。駆け落ちとか。他の人たちが運命に抗う中、アントンは「運命を受け入れる」のだ。懐の深さがにじみ出る役で、このような師匠や父親がいたらいいな、と思う。

そして、お話が進むにつれ、アントンはエリオの師匠として、エリオの引退試合へと送り出す。そして、アンフェリータの父として、エリオの頼みを引き受けることになる。

そして、エリオが引退すると知った弟子たちにも「エリオを道標にしてはいけない」と話す。このアントンの懐の深さがあるからこそ、哀しいお話の中に少しだけ明るい未来が見えた。


美しい言葉、そして音楽

セリフの中に、「僕はね、この国の澄んだ青空が好きだ。白壁の町並みも。遥かな山脈も。」というものがある。

このセリフ、望海さんのブリドリの中のコーナーであったのだ!と、感激してしまった。

先ほどのアントンのセリフ然り、言葉が古臭くない。現代の言葉にも通ずる、美しい言葉だな、と思った。ルサンク的なものがあれば…脚本が読みたい!


続いて音楽について。

舞台がスペインだから、ギターで奏でるメロディーがすごく多い。まさに「哀しみ」の音楽で、哀愁漂うもの。私は星逢のような音楽も大好きだから、今回のギターのメロディーも心揺さぶられた。


あとがき
『哀しみのコルドバ』は、ちぎさんがやりたい作品だそう。やりたいと思う作品をできることって、本当に奇跡だ。

現在の雪組トップコンビは、悲劇がよく似合う。救いのない物語というか…なので、新境地として喜劇なんかも見てみたい!

全国ツアー、まだ始まったばかり。これから続々とアドリブも増えるのかな?ともあれ、2日目の熱演を観劇できたこと、すごく幸せに思います。

全国ツアー、ショーの方の感想はこちら↓