ろぐりずむ

主には宝塚の感想。他のミュージカルも観ます。

【四季】『ノートルダムの鐘』(2016) 感想〜人間と怪物の違いは何か?

劇団四季ノートルダムの鐘』観てきました!数年前にこの作品のメドレーを演奏してから、いつか舞台で観てみたいと思っていました。本当に素晴らしかった!

★12月29日 13時30分 1階11列 四季劇場「秋」
★同日 18時30分 2階8列 四季劇場「秋」

■キャスト(公式サイトよりお借りしました)

  • 13時30分


  • 18時30分


■人間と怪物の違いは何か?

カジモド、フロロー、フィーバスという3人の男性がエスメラルダという魅力的な女性によって進んでいく物語。特に「人間と怪物の違いは何か」という点が重点的に描かれていた。

その点で、カジモドとフロローは非常に対照的。怪物と罵られていたが、意志を持つことによって人間になったカジモド。真っ当な人間だと評価されていたが、エスメラルダへの感情で怪物になったフロロー。

人間と怪物の違いは、環境によって変わるのだと感じる。そして、誰もが怪物になる可能性を秘めている。だからこそ、「自由に生きる」ことや、「人にされたいことをする」ことが必要になるのだろう。

■アンサンブルとクワイヤの存在

劇団四季ってアンサンブルが非常に大切な存在であるが、今回は一際それを感じた。

今回のアンサンブルの方々は、ストーリーテラーとしての役割を果たしながら、石になったりジプシーになったり、舞台機構を動かしたり、大忙し。『グランドホテル』でもそうだが、アンサンブルの存在が存分に感じられる作品が私は好きなのだな、と感じた。

そしてクワイヤの存在。2幕頭の歌は圧巻だった。その部分はメロディーやテンポや曲の流れがころころ変わるので、さすがとしか言いようがない。クワイヤの存在で歌が何倍にも豊かになって、各幕最後は本当に圧巻。

■S席とC席で観て

私は今回2階観たのだが、C席の方が好み。もちろんどちらにもいい点があって、S席は近い分臨場感がすごい。しかし近い分視界が狭くなるので、観たいところを観れないのは辛かった。

C席は遠いが、全体を観れるのが楽しい。やはり2階席からオペラグラスで観ることが慣れているのか、衣装や鬘や、アンサンブルの方がどうやって準備しているのかとか、そういう細かいところを存分に楽しめた。

■あとがき

カジモドが「人間→怪物→人間」になる演出と最後に観客に問いかける演出が好き。『グランドホテル』と似た演出だと感じた。

また京都劇場で上演されるので、絶対観に行こう。